アメリカはこんな感じだから、今、円安ドル高が加速中なんですよね

 

こんにちは。本木 ななです。
私とろくがお世話になっております。

前回『今の日本は概ね「市場の失敗」状態ではないか、さらに「政府の失敗」も起きていないか』では、今の日本の状況を大きな目で見た話でした。

(その「大きな目」をちょっとカッコつけて言いますと「マクロ経済」ってヤツですね……って、すんません言ってみたかっただけです)

今回の話は日本ではなくてアメリカです。

株、下がっちゃいましたねー。

理由はアメリカのCPI(消費者物価指数)の発表を受けて「CPIショック」が起きたこと、らしいですけども。

2022/6/13『CPIショックで株価急落!15日FOMCまで大荒れ必至!?

楽天証券さんの投資情報メディア、トウシルさんの記事です。

ざっと言えば「CPIの数値が予想(5月以降は物価の伸びが鈍化するだろう)を大きく裏切るものだった」というショックで米国株が暴落した、という話でした。

そこでこれ以上のインフレを止めるためには、FRB(米連邦準備制度理事会)がさらに強く金融引き締めをするだろう、ということは容易に予想が付きます。

となりますと、日本とアメリカの金利の差はどんどん広がるだろうということも予想が付きますので、ドル円の為替レートはドル高円安で行っちゃったっきりで返ってこない……という状態が続いているということで。

直近ではこんな話ですが、最も大きな原因はもうちょっと前に始まっていました。

2021/11/10『時給2000円でも… アメリカで働き手が足りない事情

2021/12/8『米で「大退職時代」コロナで価値観変化

上がNHKさんで下が日テレさんの記事です。

上記リンク先の記事をざっとまとめてみますと「コロナによってアメリカ人の仕事に対する価値観が変わり、それが供給側の人材不足に繋がっている」という話です。

コロナでは原材料や部品などが供給不足に陥ることで、それらを使って商品を製造するメーカーの生産も止まり、大規模な供給不足になりました。

それもまだ解消できなかったところに戦争が追い打ちをかけて、全世界的に大変なことになりましたけれども。

それに加えてアメリカでは、コロナの被害が深刻だったがために「人々が自分の人生を見直すきっかけ」となり、それで「人生は一回しかない、死んだら終わりなのに、働いている場合ではないのではないか?」と考えた人が多かったということです。

そしてまさにその時にアメリカ政府からの給付金が手元にありますから、働かず急いで次の仕事を探すことなく(=他人に尽くしてその時間をお金に換えるということをせず)、それで生じた時間を全部(これからの人生を考えるなど)自分のために充てることもできるわけです。

前回の記事で、私は以下のように書きました。

そしてこの状態は、これまで歴史上続いてきた「供給側と需要側の立場は、供給側の方が有利(強い)」であったのが、既に「需要側の方が有利」となっていることも表しています

今回のアメリカ人の選択「働いている場合ではないのではないか(=少なくとも今は働かないと言う選択をする)」ことは、全体的には「供給側である労働者の立場を強くするもの」と言えますし、実際それで賃金の上昇が起きたわけですけれども。

それで物価が上がる一つの要因となりましたが、日本と違ってアメリカは容赦なく値上げしますし、値上げもしやすいという状態です。

(アメリカでは日本と違って「お客様は神様」ではありませんから、理不尽で激しいクレームを言う客は店から叩き出されて終わりです。

それに対して日本人は真面目ですから、理不尽で激しいクレームを言う客に対しても、ひたすら真面目に誠実に対応しようとします。

値上げに対しても、できるだけ回避または値上げ幅を少なくしようとする、それがお客さんに対する誠実な対応だとする傾向も強いです)

それとあと真面目な人の多い日本では、コロナ感染対策も真面目に行ったことが功を奏し、アメリカほどの感染者や死者を出すこともありませんでした。

それ故に、アメリカ人ほど大きな価値観の変化は起こらなかったのではないでしょうか。

この記事を書く時にいろいろ調べていると、以下の記事を見つけました。

2020/6/24『コロナ禍後の社会変化と 期待されるイノベーション像

上記リンク先の記事内に、フランスの経済学者であるジャック・アタリ氏のお褒めの言葉がありました。

「日本は危機対応に必要な要素、すなわち国の結束、知力、技術力、慎重さを全て持った国だ。島国で出入国を管理しやすく、対応も他国に比べると容易だ。危機が終わったとき日本は国力を高めているだろう」

これは約二年前の記事ですが、どうでしょうか。

今回のアメリカの話を直近だけで考えると「インフレを止められていない、危険だ」という状況ではありますけれども。

もっと俯瞰的に考えて需要側と供給側の話で言えば、既に「需要側が強くなった時代に、自らをより需要側に置いて考える」ということ自体は、時代の流れに沿っているのではないかとも言えます。

というわけで、結果的には「禍を転じて福と為す」ことになるかも……と、思ったこともついでに書いておこうかなと。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)