コツコツ努力を積み重ねたら、いつかはそれが報われる。とは限らないのが恐ろしい
こんにちは。本木 ななです。
私とろくがお世話になっております。
かつて私がまだ20代の頃に読んだ本または雑誌の記事で、歯ブラシ職人さんの話が紹介されていました。
(本または雑誌のタイトル等は失念しました。出典不明です)
その昔、歯ブラシ職人さんが一人前になるには、徒弟制度で大変な苦労をしなければなれなかったそうです。
もちろん徒弟制度自体にも問題があるとは思います。
「技術は盗め」とか言われてまともに教えてくれないし、先輩からの理不尽な虐めなどもあったでしょうし。
ただし当時の歯ブラシ職人さんは、それを耐えて一人前になったら楽に食べて行ける程度の良い収入が得られたそうです。
だから皆、がんばってその技術を得ようとしていました。
しかしある日、外国から機械が入って来ました。
それがあっと言う間に全国に広がって、大半の歯ブラシ職人さんが失業してしまったそうです。
苦しい修行をこなして、やっと一人前になるかならないかというところだった職人さんは、それまでの苦労が全くのムダになってしまいました。
これを読んだ私の感想はですね。
「あー、昔は大変だったのねー」
で、終了でした。
完全なる他人事です。
アホです。バカです。
今となって思うのは、当時の私はどこに出しても恥ずかしい愚か者でした。
もちろんこれは、歯ブラシ職人さんだけの話ではありません。
さらに言えば、昔だけの話ではありません。
今でも多かれ少なかれ似たようなことはあるでしょうし、これから先もまたあることでしょう。
だから、努力を重ねる前やその途中にその都度、いろいろなことを考えなければなりません。
先の歯ブラシ職人の例で言うのなら、例えば他の業種で機械化されて職を失った職人さんが既に居たのか?
既に居たとするならば、それが歯ブラシ製造についても同様のことが起こる可能性もあるのではないのか?
つまり、今の自分の仕事または修行がムダになる可能性もあるのではないのか?
その場合、歯ブラシ以外に転用できることはあるのか(例えば刷毛職人とか)?
その当時は情報も少ないしまたそれを得られる機会も少なかったでしょうから、実際にはこんなことを考えるのは非常に難しかっただろうとは思いますけど。
でも、今はそうではありません。ネットもありますし。
私が子供の頃、親や学校の先生は以下のようなことを言っていました。
「要らんことを考えず、真面目にコツコツ誠実に働いていたら明るい未来がやって来る」
この教えを忠実に守って、本当に何も考えないでひたすら目の前の仕事に没頭していたら危険です。
上記に挙げた、歯ブラシ職人さんのような場合が起こる可能性があるからです。
私の親の世代が何も考えず仕事をしてもほとんど問題がなかったのは、たまたまそんな世代だったからというだけです。
それは今よりも遥かに大きな労働需要があって、今ほどITなどのテクノロジーも発達していなかったという、そんな時代だったからです。
母親は今でもたまーにこれに近いことを言うことがありますが、そのような時に私は「一緒にすな!」と心の中でこっそり呟いて聞かなかったことにしています。
母親にとっては、自分の経験がすべてですから。言うだけムダなので。
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ありがとうございました。
これからも頑張りますのでよろしくお願い致します。
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